日本の祭りレポート
みさきあきまつり
ここは四国の、大分県を望む佐田岬の先端三崎の港です。これは三崎の東と西の地区が牛鬼と四ツ太鼓の攻防をくり広げて豊漁・豊作を占う祭り。東の牛鬼が勝てば豊漁、西の四つ太鼓なら豊作ということ。前夜は「五ツ鹿踊」「唐獅子舞」が家々を練って舞い踊ります。「相撲甚句」が朗々と唄われ、旅情を感じること限りなし、です。
翌日は牛鬼と四ツ太鼓の攻防戦。四ツ太鼓に乗ったふたりの少年は無表情に“せんしゅが楽じゃい”という掛け声で太鼓を「トントコ トントコ」。そこで若者らの掛け声は一気に激しくなり、牛鬼と四ツ太鼓が持ちあげられます。それでも少年らは平然と太鼓を打ち続けるのです。結果、勝負は上になって相手にかぶさったかが勝ちということ。
【取材・文:苦田秀雄】
伊方町三崎地区で江戸初期から続く秋祭りは、「牛鬼と四ッ太鼓の合戦」が最大の見どころ。五つ鹿踊り、相撲甚句、唐獅子、稚児の舞も奉納されます。最終日、東西に分かれた「牛鬼」と「四ッ太鼓」は合戦を繰り広げます。垂直に10メートルほど立ち上がり、重なり合うように倒れ込んだ時に牛鬼が勝てば「豊漁」、四ッ太鼓が勝てば「五穀豊穣」になるとされています。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り