日本の祭りレポート
まつまえじんじゃれいたいさい
蝦夷地に和人が住むようになったのは13世紀ごろからです。そこは水稲栽培もできない寒冷地であるため北海道は人々の意識の外にありました。そこが日本の一部だと認識されるようになったのは江戸時代初期に松前藩が誕生してからのこと。
「松前神楽」の最大の特色は神職だけが舞うことです。昨今は神職のいない神社もあり、お互いが助けあって神楽を伝承。「松前神楽」は33演目ありますが、例大祭では6~7演目が披露。はじめは宮司による「榊舞」で、神職が神に奉仕する姿を現したもの。驚いたのは次の「注連祓舞」。すぐ目の前で真剣を振り回しながら舞うのです。とにかくリズミカル。そのテンポまるで現代のアーティスト」。
【取材・文:苦田秀雄】
旧松前藩が、かつて城中で行わせたことから「お城神楽」とも呼ばれる松前神楽。
江戸時代に神職によって盛んに行われたものが後に道南地域や日本海沿岸地域などに広がりました。現在も各神社の神職が一体となって各神社の例大祭で公開されています。