日本の祭りレポート
くりこまだしまつり
元禄7年、鶴丸城主となった中村成義公は、かつて自らが治めていた岩手県一関藤沢の「新田の早苗振り」をここでも催すよう命じ、この祭りが誕生したといいます。
山車の飾り物のテーマは歴史上の場面が多く、人々は仕事の合間をぬっては集まり、カンカンガクガク、お酒をやりつつ論議し、2カ月かけて山車を製作。子供らは憧れの眼差しで大人の作業を見守り、ゆえにおじさんたちは余計に頑張るという構図。山車が街なかに出陣するとき、住民から大きな拍手。誇らしげなおじさんたちの顔、顔、顔。お囃子は京都祇園の流れをくむ「打ちばやし」「虎がえし」「袖功老(しこうろう)」。それは踊らずにはいられないキレのいいテンポ。
【取材・文:苦田秀雄】
宮城県北西部、栗駒山のふもとに広がる自然豊かな地域、栗原市。ここで毎年夏に行われる「くりこま山車まつり」は、藩政時代から300年続く歴史ある祭りです。見所は栗駒岩ヶ崎の9地区において製作される豪奢で華麗な山車の数々。山車に明かりが灯され夜の通りを練り歩く宵祭の幻想的な美しさは圧巻です。