日本の祭りレポート
こうはちまんぐうれいたいさい
神社の鳥居をくぐれば目の前に長さ70メートル、勾配16度の急坂が迫ってきます。珍しい参道です。その参道を笠鉾を先頭に千歳楽(山車)と18台のだんじりが駆け上がるのです。祭りの町内は上の町4地区、田の口5地区、下の町9地区の大所帯。屋根の上では数人の若者が気勢を上げ、町内総出で綱を引きます。小学生の「シャギリ(囃子)」が彼らに力を与えます。それはだんじりの動きにあわせて7曲の使い分け。その演奏手法はそれぞれが門外不出。還御に当たりだんじりは「下がりは囃子」の物悲しい音色で坂を下りますが、音色が変わってまた坂を上ろうとします。それは岡山弁で、“まだ帰りとーねー”ということか。
【取材・文:苦田秀雄】
18台のだんじりと千歳楽1基が宮入りし、急な坂道参道(約70メートル)を200人から400人の氏子によって威勢良く曳き上げられる姿は壮観。約200年の歴史を持つ祭りばやしの「しゃぎり」は県の重要無形民俗文化財に指定されており、篠笛、胴長太鼓、締太鼓、鼓、鐘の5種類の楽器により7曲が奏でられ、祭りを盛り上げます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り