日本の祭りレポート
けせんちょうけんかたなばたまつり
2011年3月11日。あの日、巨大津波が陸前高田全域をのみ込みました。その年の8月、彼らは残った1基の山車で地域を巡行。翌年もう1基を新調し、念願の「けんか七夕」を実施。(写真はそのときの取材)
瓦礫の街に夕やみが迫る頃、巨大な山車が轟音をあげて衝突。その轟音、天国に届け!とばかりに、彼らは渾身の力でぶつけあうのです。揺れる提灯は亡き人の魂か。この悲しい街にこれだけの喜びの顔があったでしょうか。祭りができる幸せ。その感激は被災者でなければとても解るものではありません。河野和義保存会長“津波がなにもかも持って行った。でも祭りは残った”この言葉はしっかりと胸に刻もうと思います。
【取材・文:苦田秀雄】
陸前高田市気仙町に900年に渡り伝えられてきた「けんか七夕」。「七夕」という響きからは想像できない激しい太鼓の音とともに、4tもの山車がぶつかり合う様子は圧巻。「あゆみ太鼓」「やすみ太鼓」「けんか太鼓」など、太鼓の音がけんかを先導し盛り上げます。岩手県指定無形民俗文化財に指定されています。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り