日本の祭りレポート
けんとうさいろくがつとう しながじんじゃのからくりはなび
「科長神社のからくり花火」は神社の境内の立木を利用して30本の麻綱を張り、そこを竹筒が火を噴射しながら走るもの。「綱火」です。その成功は過去40年で6回とか。
午後9時、宮司がスタートの花火に御神火を点火。麻縄に通した竹筒が勢いよく火を発しながらシュルシュルと走ります。それが綱から綱へ。これぞ炎のリレー。火の粉がふりそそぎます。観衆は“きゃー きゃー”、こぞって火を浴びるのです。人々の災いを焼きつくす浄火です。最後に火のロケットはナイアガラの滝となって人々にふりそそぎます。8カ月にわたる準備作業が3分15秒で終わり。これは人の心も、花火も、燈籠も、なにもかもが優しい祭り。
【取材・文:苦田秀雄】
旧薩摩藩の地域で行われる五穀豊穣・無病息災を祈る夏祭り。7月になると毎晩、神社や公民館から花火が打ち上げられます。特徴的なのが、科長神社例大祭の特殊神事「からくり花火」。竹筒で作られた花火が、境内に張り巡らされた麻縄を伝い、次々に駆け抜けます。火の粉を浴びると健康に過ごせると言われ、毎年多くの参拝者と見物客が訪れます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り