日本の祭りレポート
けべすまつり
この祭りの由来は不明です。ケベス役の青年に面がつけられて祭りはクライマックスへ。境内に積まれた木切れの山に火が点けられ、突然ケベスがそれに向かって突進し、火の中に飛び込み、松明に火がつけられ、当番組全員がそれを振り回します。そこは阿鼻叫喚(あびきょうかん)の世界。彼らは火の粉を浴びせようと、火の棒を振り回してどこまでも観客を追っかけてくるのです。火の粉を浴びれば無病息災が約束されるとか。最後にケベスは杖の藁苞(わらつと)を3度地面にたたきつけ、その燃え方で翌年の五穀の豊凶を占います。ケベスとは「蹴火子」と表記する説もあり、火を蹴飛ばして走る様か。一方、「恵比寿(えびす)」が訛ったとする説も。ここには現世を超えた空気が流れます。
【取材・文:苦田秀雄】
櫛来社の宵宮祭として行われる火祭り。積み上げたシダの枝葉が高さ数メートルの炎を上げる中、白装束に木彫りの面をつけた「ケベス」と火を守る「トウバ」が激しいせめぎ合いを見せます。終盤、燃え盛る枝葉が観客にまき散らされると境内は騒然。起源や名前の由来も不明のため”奇祭”と言われています。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り