日本の祭りレポート
かじきくもがっせん
はじめに「優良グモ」の表彰。これはクモの大きさや色つや、姿カタチを競うもの。次は「クモ合戦」。60センチ程度のヒモシという棒の上でのクモの戦いです。はじめに「かまえ」とよばれる一匹が棒の先端におかれます。つぎに「しかけ」という対戦相手を棒の上に放って戦いがスタート。それぞれのクモのオーナーは「かまえ」「しかけ」と書かれた椅子で観戦。行司の“たたたたたー”、“のこった のこった”という掛け声が会場にひときわ大きく、興奮すればもう何を言っているのかよそ者には到底理解不能。瞬時に勝敗を見分ける行事の目はじつに真剣。クモが猛烈なスピードで相手にパンチをくりだします。クモパンチ、鮮やかです。
【取材・文:苦田秀雄】
加治木くも合戦は、戦国武将の島津義弘が文禄・慶長の役(16世紀末)に参戦し、兵士の士気を高めるために始めたといわれ、加治木で400年以上受け継がれてきました。大会は合戦の部だけでなく蜘蛛の色艶や姿形の美しさを競う優良ぐもの部もあります。平成8年には国から「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に選択されました。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り