日本の祭りレポート
かわたはちまんじんじゃれいたいさい
「四国三郎」の異名をもつ暴れ川・吉野川中流に川田八幡神社はあります。それは古代朝廷の祭祀を司った職能集団阿波忌部氏の守護神社です。鎮守の杜に上がって先ず目を引いたのは「HACHIMAN」の作り物。少子高齢化で屋台を出すことのできなくなった地区からの奉納です。祭りの見どころは1.5トンの屋台が石段上がり降りする場面。担ぎ手は50人。ひとり30キロ。怒号が飛び、汗も飛ぶ。勇ましい山川男児の男気爆発。“よーい よいよい よいさっせー”のかけ声が蒼天に響きます。さらに徳島県無形民俗文化財の「神代御宝踊」。京都から伝わったとされる「神いさめ」の舞です。小太鼓を打ちながら“しゃんしゃん”と秋の陽を浴びて踊る巫女たちの赤白の衣装がまばゆく、先刻の勇ましい屋台の光景とガラリ変わります。まったりと過ぎゆく時間のなんと贅沢なことでしょう。これぞ村の鎮守の秋祭り。
取材・文:苦田秀雄
毎年10月22日に行われる秋祭り。一番の見せ場は名物の「暴れ屋台」。高さ約3メートル、重さ約1.5トンの屋台を氏子らが担ぎ、威勢の良い掛け声と共に境内までの52の石段を一気に駆け上がります。昔は屋台同士をぶつけ合い「喧嘩祭り」とも呼ばれていました。境内では、五穀豊穣を願い県無形民俗文化財の神代御宝踊りが奉納されます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り