日本の祭りレポート
かねおどり
この祭りは長曽我部に滅ぼされた領主・大西備中守元武を慰霊するために始められたもの。踊りの一団が猿田彦(さるたひこ)を先頭に太鼓と鉦を打ち鳴らしながら急な参道を登ってきます。神事が始まりました。なんと!猿田彦の所作に驚き。宮司が祝詞を唱えれば宮司の衣を引っ張たり、宮司が拝礼すればその真後ろでそっくりかえったり、やりたい放題。そして鐘踊り。“テンテンテン カンカンカン”のリズムにあわせて22人が踊ります。その所作は盆踊りの元祖とされる岡山県の「白石踊」のようでもあり、高知県仁淀川の「椿山の虫送り」の踊りのようでもあり。この小さな集落で必死に継承してきた祭りへの愛情を感じます。それはひとえに領主への恋慕。
【取材・文:苦田秀雄】
山あいの集落で300年以上続く伝統行事で、土佐の長曽我部氏との戦いに敗れ、亡くなった領主・大西備中守元武の供養が始まりとされています。大西神社の境内に笹を立てて、しめ縄を円形に巡らせ、太鼓や鉦が独特の3拍子を鳴らす中、総勢22人が勇壮華麗に舞っており、愛媛県無形民俗文化財にも指定されています。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り