日本の祭りレポート
かめおかじんじゃしゅうきれいたいさい
平戸は城、神社・仏閣、教会が仲良く同居する風光明媚な島です。「亀岡神社秋季例大祭」の奉納神楽は天照大神の御神徳をたたえる「山之神」、技舞のひとつで器を両手に舞う「折敷(おしき)」、心身の安息を願う「神相撲」などがあり、13番が「二劔」の奉納です。それは太刀のもつ霊力で邪気を祓うもの。この出来次第で平戸神楽の成否が決まるとされるため、舞手は真剣そのもの。ちょっとでもタイミングがずれれば大けがにつながります。緊張感が走ります。さらにこの国の成り立ちを説く「神代開(じんだいびらき)」、猿田彦が天孫を道案内する様子の「猿田彦舞」、天照大神が隠れた天の岩戸の前で踊る「細女命(うずめのみこと)」など、およそ8時間。神楽の大河です。
【取材・文:苦田秀雄】
日向神楽と並んで九州の神楽を代表する平戸神楽。24番の舞からなり、元禄時代から続く平戸神楽は年に一度だけ、 亀岡神社秋季例大祭の10月26日に全ての舞が奉納されます。なかでも「二剣の舞」は、真剣3本を使う圧巻の舞です。平戸神楽振興会は2019年度地域伝統芸能大賞の保存継承賞を受賞しました。(【平戸神楽】国指定重要無形民俗文化財)
※出典:ダイドーグループ日本の祭り