日本の祭りレポート
かくじんじゃちゅうしゅうさい かくのいち
かつて祭りは「市」や「町」とも呼ばれていました。それは祭りでは市が催され、町をつくることから。これは「市」とよばれる数少ない祭りなのです。
祭りの華はご神幸に付随する大名行列です。その先頭は露払い「先徒士」の10人。続いて「槍組勢子」や「槍大名」「小道具」などの一行。「鉄砲大名」を中心にした勢子たち。「弓大名」を中心とする一行。そして「総大名」と「5人組」たち。少年らは鳥居越しに長さ1.8m、重さ4キロの立傘を投げ上げ、鳥居を走り抜け、それをはっしと受け取ります。
大人のパートは大道具の行列です。「唐人傘」「天目槍」「金紋先箱」「台傘・立傘」「大鳥毛槍」「島田頭」と続き、次の儀仗は「神杖」「白旗持」花槍」「神名旗」「太刀持」「弓持」「神幣」「御神体」「御傘」「押え」「供奉太鼓」。堂々たる行列はおよそ200名。それはそれは「しらしんけん*」。
*しらしんけん:方言で一生懸命(「知」「心」「剣」)
【取材・文:苦田秀雄】
6年に一度、卯年と酉年に大名行列が勇壮に練り歩きます。最大の呼び物は、子どもたちが高さ5メートルの鳥居に傘を投げ、受け止める「鳥居越し」。成功すると、沿道から大きな歓声が上がり、祭りは一番の盛り上がりを見せます。鳥居越しを含む行列の独特な所作は口伝えで受け継がれていて、地域を結ぶ絆にもなっています。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り