日本の祭りレポート
いといがわけんかまつり
この祭りは糸魚川市の押上と寺町地区が豊作と豊漁を祈るもの。境内をゆっくり練っていた2基の神輿が拝殿の周りをいきなり疾走。「お走り」です。一方の神輿が拝殿の角を曲がるまでに、もう一方の神輿に見られたら負けとか。すると今度は神輿が随所で激しくぶつけあい。その行為は神霊の威力を高める「魂振り(たまふり)」の呪術。絢爛豪華な神輿は惜しげもなく壊されてゆきます。
そして祭りの最後、満開の桜の下の舞台では12演目もの舞楽が始まります。動から静への見事な転換です。舞楽の多くは大坂四天王寺の流れをくむ貴重なもの。舞台脇の桜が吹雪きます。これは越後に春をよぶ祭り。
【取材・文:苦田秀雄】
神輿のけんかと舞楽で神様をもてなし、豊漁豊作を祈る伝統の祭りです。祭りでは、押上地区と寺町地区の若衆が担ぐ二基の神輿が、天津神社の境内を周りながら勇壮にぶつかり合います。けんか神輿の後は、国の重要無形民俗文化財に指定されている舞楽が優雅に奉納され、境内の雰囲気は動から静の世界へと一変します。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り