日本の祭りレポート

猪俣の百八燈

いのまたのひゃくはっとう

猪俣の百八燈1
猪俣の百八燈2
猪俣の百八燈3
猪俣の百八燈4
猪俣の百八燈5
DATA
8月15日  ※毎年同日
埼玉県児玉郡美里町猪俣地区 高台院から堂前山
0495-76-3431(美里町教育委員会事務局生涯学習係)
JR八高線「用土」駅下車 関越自動車道「寄居スマート」IC
※取材時2020年の情報です。変更になる場合もございますので、お出かけの際には事前にご確認ください。

タテのつながりを大切にして祭りを伝承

これは塚に先祖の霊を迎える塚信仰を基盤にし、この地方の一大勢力だった猪俣党の慰霊が結びついた祭りです。猪俣小平六範綱は源頼朝にも仕え一の谷の合戦で平盛俊を討った武将。時代は下って猪俣一党は豊臣秀吉に滅ぼされるのですが、いまなお埼玉のこの地に彼らを弔う炎は燃え続けているのです。祭りは資金集めに始まり、行事のすべてを地区の6歳から18歳までの青少年が行います。彼らは塚を修理し、道を整備して祭り本番を迎えます。
夕方子どもらは猪俣の菩提寺の高台院に集まり、勇壮な「ふたり太鼓」、軽やかな笛の音で祭り気分を高めて塚に行進。そして108の塚に点火。それを一列になって眺める子供らの瞳にその炎がゆらめきます。きっとその風景は彼らの故郷の原風景になるのでしょう。

【取材・文:苦田秀雄】

概要

村外れの堂前山の尾根に築かれた百八基の塚に火をともす、400年以上続くお盆の幻想的な行事。武蔵国で勢力をはせた猪俣党の頭領、猪俣小平六範綱及びその一族の霊を慰めるためとされており、猪俣地区内の満6歳から満18歳までの青少年が行事の一切を取り仕切り、大人の介入がないのが特徴です。
(国指定 重要無形民俗文化財)

ドキュメンタリー映像

子供たちが繋ぐ夏~猪俣の百八燈~ / Inomata no Hyakuhatto
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