日本の祭りレポート
ひょうたんまつり
のどかな初冬の里山を酔っぱらったひょうたん様が歩いています。それは地域で一番元気のよい老人が務めるきまりで、頭に被っているのは長さ80センチのひょうたん。腰にもお酒の入った大ひょうたん。さらに片足重さ8キロもある大草鞋を履いてお酒を飲みつつ、1キロほどを2時間かけて歩くのです。ひょうたん様は“五穀豊穣、健康になる酒じゃあ”と叫びながら里人に酒をどんどん注ぎます。途中、歩きながら眠ってしまいました。そして祭りの最後、大役を終えたひょうたん様はもんどりうってひっくり返ってしまったのです。お酒が攻めてくるような祭り。「酒」の「サ」は「神」を、「ケ」は「食」を意味します。酒は神様の食べものとされています。
【取材・文:苦田秀雄】
大わらじをはいた「ひょうたん様」が村を練り歩きます。腰にぶらさげた大ひょうたんには、三升のお神酒が入っており、「五穀豊穣、健康になる酒じゃあ」と言いながら、沿道を埋めた見物人にこの酒を振る舞います。「よいしょ、よいしょ」のかけ声で、1㎞の道を2時間もかけて練り歩くユーモラスな姿が幸せな笑いを誘います。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り