日本の祭りレポート
ひょうこのこめ
「表児の米」の名の由来は、神様に感謝し、志を表す「表志」からきたのではないかという説が有力。この祭りは籾(もみ)を精米して、蒸して神前にお供えするまでの様子を表現します。まず「表児の米の唄」が歌われ、全員が輪になって肩を組み、飛びあがって床を踏む「おたしょり」。次がメインの「米搗(こめか)ち」。これは精米のことで、最大12人が順番に杵を打ち下ろすもの。まるでストロボ映像のよう。地域の呼吸のなせる技です。そして「盤(ばん)持ち」。それは重さ60キロの臼を持ち上げる力自慢大会。次々と若者が挑戦し、中高年も負けじと戦います。場内は温かい笑いの渦。そこには親を超えようとする息子、息子にゃまだ負けん、と頑張る親、どうやらわざと親に負けた息子の姿がありました。
【取材・文:苦田秀雄】
米どころ坂井平野に位置する布久漏神社(ふくろじんじゃ)の例祭で、水の恵みに感謝し、五穀豊穣を願う祭りです。神社と表児の米研修会館を、音頭を囃しながら行列が行き来しますが、なにびとも行列を横切る事は許されません。その年の初穂米を音頭に合わせて杵でつき(米搗ち・こめかち)、研いで蒸したものを奉納。参拝者にもわけられます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り