日本の祭りレポート
ほろわさんのしもつきかぐら
神事芸能「保呂羽山の霜月神楽」は「寄合神楽」で、近郊6か所の神社の神職や神子(みこ)が舞うもの。この神楽は伊勢の流れをくみ、11月7日の午後7時から翌朝6時にかけて33番が奉納される神楽の大河。これは神子を通じて神のお告げを伝えたり、舞の途中で祝詞を奏上したり、神事と芸能の合体形で日本を代表する霜月神楽なのです。
午前2時、最も大切な「山の神舞」は鳥甲、白狩衣、両たすきの楽人がまるで神が乗り遷ったかのように荒々しく舞います。それは春に山から降りてきて、里に豊かな恵みをもたらして秋にまた山に還る神様の舞。秋田の山奥にこのような文化が伝承されている。それも人知れず。日本という国は凄い。
【取材・文:苦田秀雄】
毎年11月7日夜から翌朝まで行われる、約1200年の歴史があるといわれている神楽。
近郷の神官・神子が集う「寄合神楽」の形態をとり、夜を徹して33番の神楽を奉納します。湯を立て各舞ごとに湯ぼうきで清めながら神事が行なわれ、その年の収穫に感謝し、来る年の五穀豊穣を願います。(国指定 重要無形民俗文化財)