日本の祭りレポート
ほだかじんじゃれいさいおふねまつり
安曇野(あずみの)は古代北九州に勢力をもち、海運を司っていた安曇族に由来する地名です。この祭りが行われる9月27日は、安曇族の武将の安曇比羅夫(あずみのひらふ)の命日とされます。祭りは信州に移り住んだ安曇族の子孫が先人を偲んで始めたもの。祭りの1か月前、祭り人は100本もの「なる」の木を山から伐りだし、船の形に組み立てます。御船(おふね)は精緻な作りの穂高人形を載せ、船首側と船尾側にはそれぞれ数10着の男女の着物が飾られます。これは「男腹」と「女腹」を意味し、衝突は子孫繁栄を祈るもの。穂高神社に入ってくる巨大な御船の雄姿は安曇族の誇りを彷彿とさせ、遥かなる空間と時間の文化ロマンを感じさせます。
【取材・文:苦田秀雄】
穂高神社例祭御船祭は、穂高人形を飾った船型の山車5艘を氏子衆が町内より神社へ曳きいれ、その後は五穀豊穣・子孫繁栄を願って2艘の御船を激しくぶつけ合う祭りです。御船の起源は、穂高神社が安曇(あづみ)族の祖神である海神を祀り、古代北九州に本拠があった安曇族が海洋に親しみ、海運を司った事を讃えているといわれています。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り