日本の祭りレポート
ひたぎおんまつり
「京都祇園祭」は疫病退散封じで誕生し、全国それぞれの地域も疫病流行などを契機にこの祭りを倣いました。「日田祇園祭」も600年ほど前の悪疫の退散を祈願して始められたものです。
道行きの囃子は30近い曲目があり、その使い分けも微妙。山車は高さ8メートルもの多層人形搭載型で、その精緻なつくりに圧倒。見逃してはならないのが山鉾の背後にある懸幕の「見送り」と、周囲に張られた「水引(みっちき)」です。ラシャ、錦糸・銀糸で虎や鷹、龍などが刺繍され、それは極めて芸術性が高いもの。人形は等身大で物語や歌舞伎の名場面を再現し、人形師によって毎年作り変えられるといいます。花月川の水面に映える光景は瞼に残ります。
【取材・文:苦田秀雄】
日田祇園祭は約500年前、疫病災害の厄除け神事として始まりました。神輿のお供をする山鉾は、その高さや豪華絢爛さを競い、勇壮な男衆達が町内を曳き回します。平成8年に国の重要無形民俗文化財の指定を受け、九州三大祇園のひとつとして九基の山鉾が優雅な祇園囃子の音にのり巡行が行われます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り