日本の祭りレポート
ひろさきねぶたまつり
青森ねぶた祭、五所川原立佞武多にならぶ青森三大ねぶたの「弘前ねぷたまつり」。弘前の市街地に陽が落ち、ねぷたに灯りが入り、“ヤーヤドー”のかけ声で大太鼓がどんどんどん。人々が引き綱を引けばねぷたはゆっくり動きだします。直径4mの「津軽情っ張り大太鼓」にまたがってブチを打ちおろす男たちのなんと勇ましくかっこいいことか。日本男児の美です。ねぶた絵はおどろおどろしい武者絵。人の情念すら感じます。
最終日の8月7日には岩木川の茜橋で「なぬかびおくり」が行われます。ねぷたは燃やされ、川に流されます。これは「ねむり流し」という東北特有の古い習慣で、夏の労働の疲れからくる睡魔を流すというもの。祭りは見るだけではもったいないです。綱を曳かせてもらうのも良し、時間があれば後継者育成の目的で開催されているねぷた囃子講習会や、金魚ねぷた作り方講習会などに参加するのもありかと。
取材・文:苦田秀雄
弘前ねぷたまつりは、三国志や水滸伝などの武者絵を題材にした勇壮華麗な「ねぷた」が、「ヤーヤドー」の掛け声とともに情緒ある笛や太鼓の囃子にのせて城下町弘前を練り歩く、津軽の夏の夜空を彩る祭りです。2022年には、ねぷたが初めて文献に登場してから300年という記念の年を迎えました。(国指定 重要無形民俗文化財)
※出典:ダイドーグループ日本の祭り