日本の祭りレポート
ひのきのししまい
「桧の獅子舞」は400年前、阿波藩主の蜂須賀家政公が城入りをする際、領民が獅子舞で喜びを表現したのが起源といいます。拝殿の前での獅子舞が終わり、200人ばかりが参道を大鳥居まで神幸。そこでは巫女神楽などが舞われ、太鼓山車が大暴れし、ふたたび獅子舞が始まります。リーダーがわずかに腰をくねらせリズムをとる姿勢をみせれば全員の目は彼に集中。まずリーダーは拍子木を両手にリズムをつくります。カッ、カッ、カッと打ち鳴らせば獅子は「ねりこみ」「てれつく」「しんぎょく」「きつね」「のた」の演目を熱演。それは眠っていた雌雄の獅子が目覚め、成長して夫婦となり、喧嘩しながらも最後は仲直りするという話。獅子舞の所作でストーリーを解らせる日本人の繊細さはすごい。
【取材・文:苦田秀雄】
桧の獅子舞は別名「夫婦獅子」ともいわれ、幼稚園児が演じる「蝶子」に誘い出された2匹の獅子が、ストーリーのある5つの舞いを太鼓や拍子木に合わせて舞い、五穀豊穣や家内安全を祈願します。400年余りの歴史があり毎年10月、地元の氏神3社に奉納した後、11月1日の大麻比古神社例祭に臨みます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り