日本の祭りレポート
ひめしまのぼんおどり
“こらさっ そらいた よい よい”。傘を片手に子狐、子狸が踊ります。豊後水道に陽が落ちれば盆踊りです。この島には「盆坪」が6ヶ所あり、それぞれの場所で盆踊りがあります。「盆坪」とは集落のことで、それぞれ方言が異なるとか。踊りの演目は「アヤ踊り」「キツネ踊り」「たぬき踊り」「銭太鼓」「猿丸太夫」など。所作は自由奔放で、とりわけ子供が踊る「キツネ踊り」と「たぬき踊り」が人気。「キツネ踊り」は狐が横暴な庄屋をからかっている様を風刺したもの。日本の踊りには言葉にだせば憚ることを所作や歌にこめたものが多くみられます。それは権力に対する庶民の無言のレジスタンス。
国東半島に北に浮かぶ姫島は古事記にも登場する、あのイザナギとイザナミが産んだと
される12番目の島。ミステリアスな島です。
【取材・文:苦田秀雄】