日本の祭りレポート
ひばるまつ
これは「青の洞門」で有名な邪馬渓(やばけい)の上ノ川内、中畑、福土の3集落の祭りです。歴史はおよそ700年。神仏一体で五穀豊穣を予祝する「御田植式(マツヤク)」が祭りの中核です。
山伏姿の白衣の僧兵が薙刀を手に神輿を先導。続いて稲作の所作を表現した予祝の7つの演目が始まります。水漏れを防ぐ「水とめ」、“やんそれ”の掛け声で鍬を打つ「田うち」、「畔ぬり」、草を刈る「くろぎり」、牛を使って田をならす「しろかき」、田を平らにする「えぶり」、そして「たねまき」が披露。白衣に編み笠、ワラ草履。派手な動きのない所作は古式そのもの。演者はその場での思いつきのアドリブでかけ合いをし、会場を和ませます。それは集落の人だけがわかる内容です。
【取材・文:苦田秀雄】
鎌倉時代に始まったとされる「桧原マツ」は五穀豊穣を祈願する神仏習合の祭りです。本堂での法要後、ホラ貝の合図で、薙刀をもった白装束の僧兵を先頭に三基の神輿が下宮から本堂へ渡御する御神幸が行われます。その後、境内で始まる御田植式(マツヤク)では稲作の一連の所作が地元集落の信者によってユーモアたっぷりに演じられます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り