日本の祭りレポート
ながさきはたあげたいかい
長崎では凧のことを「ハタ」とよびます。それを長崎に伝えたのはインドネシア人で「アゴバタ」という種類のもの。この大会の「ハタ」のサイズは縦80センチ、横96センチで、糸は60メートル。「ヨマ」とよばれる麻糸にビードロを砕いて練ったものを塗り、凧糸をからませて切った方が勝ちとするのがこの大会。高さはおよそ100メートル。見事相手の「ヨマ」を切れば“よいやー”の掛け声があがります。おじさんたちはまるで子供のように「ヨマ」を操り、上下左右、左回転、右回転と自由自在。まるでそれは生き物のように空を泳ぐのです。「ハタ」の模様は120種類ほどあり、「明烏(あけがらす)」「日一(ひいち)」「三つ奴」などといった名前がつけられています。碧い長崎の空に掛け声が爽やか。運がよければ「ハタ」を拾えるかも。
【取材・文:苦田秀雄】
長崎では、凧(たこ)のことをハタといいます。長崎のハタは「けんか凧」ともいわれ、麻糸にガラスの粉を糊で練りつけた「ビードロヨマ」を使って行う縦横無尽の切り合いは、ハラハラドキドキの真剣勝負。その模様は、出島オランダ商館出入りの絵師らによって描かれ、ヨーロッパにも伝えられています。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り