日本の祭りレポート
はりみちのあばれだし
天明8年大雨が続き、祭りで山車をだすのが待ちきれなくなった若者が我慢しきれずに山車の衣を外した際、山車同士が衝突したのがきっかけでぶつけあうようになったとされます。山車に載せる人形は毎年テーマが変わり、2カ月かけて製作。人形は時代もの、縁起ものからキャラクターまで様々。それは激しい祭りにほんのりした温かさを感じる光景。しかし、ぶつけあいになると様相は一変。随所随所で山車をぐるぐる回し、まるでそれは巨大なコマ。そして猛烈な勢いで双方が直進し、激しくぶつかるのです。地響きが伝わります。衝突の衝撃で山車の笛吹き少年は張子に頭をめりこませます。
400年以上の伝統がある「針道のあばれ山車」は、二本松市針道地区にある諏訪神社例大祭で繰り広げられ、7つの若連が勇壮な自慢の山車をぶつけ合います。その昔、この地方で凶作が続き疫病が大流行した際、災いを鎮めようと人形を飾った山車と神楽囃子を奉納したのが始まりと伝えられています。