日本の祭りレポート
はなまきまつり
市内中心部のお祭り広場で20もの鹿踊(ししおどり)団体が踊りを繰り広げます。村の平安祈願です。アセチレンの照明に輝く12基の風流山車も鮮やかで、頭に金色の冠を頂いた稚児たちの行列も眩いばかり。ほかにも神楽権現舞、京都祇園の流れをくむ花巻囃子など、とにかくこの祭りは風雅にして賑々しいものがあります。神輿の数もギネスに認定。(2015年104基)ここに生れた宮澤賢治もこの祭りをこよなく愛したといいます。彼は風流山車に黄色い牡丹の花を飾ることを提案。この祭りは文禄年間に花巻開町の恩人である北松斎に感謝して始められた観音祭が前身。その後、明治の廃仏毀釈によって鳥谷崎神社の例大祭となっていまに至ります。
【取材・文:苦田秀雄】
各町内から繰り出す12台の風流山車をはじめ、祭り期間中、100基にも及ぶ勇壮な神輿、古来より踊り継がれてきた鹿踊・神楽権現舞・花巻ばやし踊りなど、420年以上の伝統をもつ花巻まつり。
のどかな田園風景の広がる宮沢賢治の故郷が、エネルギーに満ち溢れる3日間です。