日本の祭りレポート
ぐじょうおどり
「郡上おどり」は寛永年間、郡上藩主が士農工商の融和を図るために始めたといいます。踊り方は、群集が輪になって踊り、人が随所で交差すること。踊りながら、知らない者同士が声を掛けあったり、笑みをかわしたりするのです。それは7月15日の「おどり発祥祭」から、9月9日の「おどり納め」までの32夜にわたって踊られるロングラン。クライマックスは8月13日の夜から16日早朝にかけての徹夜踊り。踊り手の支度は思い思いで、頬被(ほほかぶ)りあり、尻端折(しりはしょり)ありで、全員下駄履き。キビキビした手振りの踊り方もあれば、風雅なものもあり、誠に趣が豊富。そこは笑顔、笑顔の渦。“郡上の八幡出てゆくときは 雨も降らぬに 袖しぼる”
【取材・文:苦田秀雄】