日本の祭りレポート
はこねごうらなつまつりだいもんじやき
箱根強羅の明星ヶ岳の斜面に巨大な「大」の文字が浮びます。これは大正9年、まだ皇太子殿下だった昭和天皇が強羅にお見えになった際、青年有志が殿下をお慰めするために始めた祭り。その翌年から大文字焼は盆の送り火として地域全体で行うようになったもの。文字が焼け終わるのはわずか40分程度ですが、青年会のメンバーは2ヶ月をかけて準備するとか。イベント広場ではミュージシャンやお笑い芸人のライブ、大文字チャリティビンゴ大会など、まさに祭りとアトラクション新旧のごった煮状態。夜7時半、大文字に火が放たれ、スターマイン、大玉、ナイアガラの仕掛けなど2000発の花火が打ち上げられます。
【取材・文:苦田秀雄】
大文字焼は有縁無縁の霊の冥福を祈り行われるうら盆の送り火です。長さ3メートル程の箱根女竹(篠竹)で350の束を作り、「大」の字が大きく描かれるよう、文字の輪郭に沿って等間隔に立てます。一筋の花火を合図に点火され、点が線、文字となり、美しく「大」の火文字が浮かび上がります。