日本の祭りレポート

藤切り祭

ふじきりまつり

藤切り祭1
DATA
5月8日 ※毎年同日
山梨県甲州市勝沼町勝沼 国宝柏尾山大善寺
0553-44-0027(国宝柏尾山大善寺)
JR中央本線「勝沼ぶどう郷」駅下車   中央自動車道「勝沼」IC
※取材時2007年の情報です。変更になる場合もございますので、お出かけの際には事前にご確認ください。

大蛇を退治する修験道の行者

「藤切り祭」は奥秩父の金峰山(2,599メートル)に出没し、里人を苦しめた大蛇を退治したという故事に由来します。
祭りは稚児行列に始まり、修験者たちの剣の舞い「ハッポウキリハライ」、「笈(おい)渡しの儀」、鬼門の方向に矢を放つ「法弓」など、粛々と一連の修験道作法が行われます。ご神木には大蛇が巻きついています。それは藁で作られ、舌と2本の角のあるもの。修験者が木に登ってゆき、鉈(なた)でご神木の大蛇を切りました。神木の下では里人らが切れ端を奪いあいます。殴りあい、押しあい、くんずほぐれつ。それもこの祭りの一環なのです。切れ端は魔除けになるとか。長閑(のどか)な里になんとも激しい祭りがあるものです。

【取材・文:苦田秀雄】

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