日本の祭りレポート
ふるかわまつり
「古川祭」の「起し太鼓」は太鼓を叩いて“今日は祭りだ”と、寝ている町民を起して回るもの。出立に先立ち「起し太鼓」に跨ったふたりの男は互いの胴を晒(さらし)で縛りつけ、太鼓のバチをゆっくりと、まっすぐ天に振りあげます。そしてバチは一気に打ちおろされ、「ドン!」の音が腹に。それは勇ましくも美しい日本の男の姿。大太鼓はゆったりと打ち鳴らされ、次第に激しい乱れ打ち。再びテンポが落されると、起し太鼓の櫓(やぐら)が厳かに出陣。「古川やんちゃ」200人が前衛、後衛となってこれを守り固めながら街を練るのです。飛騨匠の精緻な屋台のからくり人形や、前田青邨の絵画、子供歌舞伎も見逃せません。
【取材・文:苦田秀雄】