日本の祭りレポート
えちごせきかわたいしたもんじゃまつり
越後関川村を大蛇がくねくねと地域を練ります。この祭りは地域活性化と災害の記憶を風化させないようにと、昭和63年に始まりました。それは昭和42年8月28日の羽越水害で死者・行方不明者34名を出したことへの記憶と、昔からここに伝わる大蛇伝説をあわせたもの。古事記にスサノオが退治したのは「高志之八俣遠呂知(こしのやまたのおろち)」とあります。「高志」とは「越」で「越後・越中・越前」のこと。
蛇体は82.8メートル、重さ2トン。関川村54の集落が54、ひとつづつ大蛇のパーツを持ち寄って祭りの朝にそれらを合体させるのです。大蛇は村内6キロの道のりをくねくね練り歩きます。すごい関川村民力です。
【取材・文:苦田秀雄】
村に伝わる「大里峠(おおりとうげ)」という大蛇伝説と、昭和42年に発生した羽越水害の惨事を忘れることなく後世に引き継ぐ水害供養をテーマに、昭和63年から行われている村民の祭り。集落ごとに各部位をつくり合体させたその大蛇は長さ82.8メートル、重さ2トン。竹とわらで作られた世界最長の蛇として、ギネスブックに認定(2001年)されています。