日本の祭りレポート
どばたぎおんやまがさ
戸畑では7月になれば各山笠とも「宿開き」、「道具調べ」、山笠台を組み立てる「ねじとり」などの準備に入ります。昼の山笠は紅白12本の幟を立てた「のぼり山笠」で、それは錦糸銀糸で刺繍された豪華なもの。題材は那須与一や龍虎の戦いなどの物語。夜、ヤマは「ちょうちん山笠」に模様替えし、309個の提灯がつけられ、光のピラミッドに変貌します。手際のよい作業が戸畑っ子の心意気。灯りは蝋燭(ろうそく)の灯りであるため、手違いを起せば火災にもなりかねません。高度な技の見せどころです。“よいとさ よいとさ”の「おおたろう囃子」が担ぎ手のテンポをそろえます。その姿はあたかもムカデ競走。
【取材・文:苦田秀雄】