日本の祭りレポート
ちはらのおおとんど
この祭りは西暦700年ごろ、地域が凶作や悪疫に悩まされていたことに起源をもちます。文武天皇の夢枕に現れた神が“茅原の吉祥草寺に行って祈祷をせよ”と告げたとか。その結願が1月14日で、その日神と仏に感謝する意味で雌雄の大松明を献上。午後3時、元旦から続いた修正会の結願法要が始まりました。修験者が法螺貝(ほらがい)を鳴らしながら入場し、四天に向けて鎮霊の矢を放ちます。堂内では僧侶と行者による般若心経の大合唱。祈りをより強いものにする「だだふみ」。燃えさかる大松明。ひたすら鳴りやまない太鼓の音。これぞ日本文化の底力。その迫力は見るものの心をわし掴みにし、古代文化の深淵に誘います。
【取材・文:苦田秀雄】