日本の祭りレポート
ちゃぐちゃぐうまっこ
鬼越蒼前神社の境内で馬子たちが馬の背中に鎧(あぶみ)をのせて蒲団をかけ、腹を包み込んでいます。さらに鳴輪、むながい、首よろい、鼻かくし、耳袋などを取り付け、最後に垂布をさげて700個もの鈴を結びます。装束の色や模様にはそれぞれの家の趣向が。馬たちは1週間前から身体を汚さなくなり、当日は午後22時まで餌を食べられないことがわかっているらしく、朝は腹いっぱい食べるといいます。
緑したたる田園地帯を人馬が進みます。子どもが落ちそうになると、馬はそれを察して優しく止まるのです。いまから400年ほど前、“重労働で疲れた馬を慰労せよ”、との蒼前神のご託宣でこの祭りは始まりました。
【取材・文:苦田秀雄】