日本の祭りレポート
ぼうのつのじゅうごやぎょうじ
これは坊津町4集落で行われる豊穣祈願と健康祈願の習俗です。上之坊集落では山の中腹で燃える番茅を振り回して十五夜を知らせる「火とぼし」や、口説にのって輪になって踊る「十五夜お月様作り」が催され、鳥越集落ではふんどし姿で手をつないで踊る「手つなっご」が、泊集落は子供たちが主役の「十五夜踊り」「十五夜相撲」とドラム缶を叩きながら集落を回って踊りの輪に乱入する「踊りこわし」、さらに「綱引き」と盛りだくさん。平原集落は茅を背負って進む「茅かる」など、まさにそれらはムラのオコナイ、日本の幻影。
西暦753年、大陸から鑑真が漂着したという坊津。十五夜の大きなお月様が煌々と照らす海辺の村。瞼に焼き付けておきたい希少な習俗です。
取材・文:苦田秀雄
鹿児島県南さつま市坊津町で旧暦の8月15日(十五夜)を中心に継承されてきた、満月のもと大綱を引き合う行事。綱に使う茅を集める茅引き、綱練り、相撲、そして十五夜の綱引きなどの行事が、各集落独自の習俗として受け継がれています。(南薩摩の十五夜行事:国指定 重要無形民俗文化財)
※出典:ダイドーグループ日本の祭り