日本の祭りレポート
あやこまい
「綾子舞」は出雲阿国が京都四条鴨川河原で踊った「ややこ」を起源とする説があります。奉納団体は下野と高原田地区。高原田の「小切子踊」は流刑の旅にでる菅原道真公を三条大橋のたもとで送る踊り。さらに「海老すくい」、小歌踊の「常陸踊」などがあり、フィナーレは「因幡踊」。これは出雲阿国が京都で踊ったとされるものにそっくり。下野は舞台清めの「三番叟」、「常陸踊」は大原女(おはらめ)が都に住む恋しい人に会いたくてたきぎ売りをして歩くもの。「綾子舞」には室町歌謡もあり、所作にも室町文化のにおいがします。この踊りを伝承する人々の情熱には圧倒されます。
【取材・文:苦田秀雄】
綾子舞は柏崎市女谷(おなだに)の、高原田(たかんだ)と下野(しもの)の2つの集落に約500年前から伝わる民俗芸能。小歌踊、囃子舞、狂言の3種類からなり、小歌踊は赤いユライを被り美しい扇の手振りで足をアヤにして踊る姿が初期歌舞伎踊りの面影を色濃く残しています。狂言も現存の流派にない古い歌舞伎の演目を伝えています。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り