日本の祭りレポート
きくなのあめやおどり
「飴屋踊り」はかつて神奈川のほかに関東一円に分布していた芸能です。それは江戸時代後期の街頭飴売りが客寄せに演じたのに始まるとされます。
「菊名の飴屋踊り」は元農協の出荷場倉庫を特設舞台にして地域の人が演じます。演目は粉屋の娘に恋慕したお坊さんが失恋して自らを慰めるという「白松粉屋」、「笠松峠」という親の仇討もの、手踊りの「子ども子守」が続きます。そして仮名手本忠臣蔵の「五段目」があり、最後はメインの「細田の奴」。ストーリーは安房鴨川の近くの細田で、老人と奴が若い娘にイヤらしく言い寄るもの。彼女はそれを手玉に取り、まんまと峠を越えるという話。手作り感満載。
【取材・文:苦田秀雄】
三浦市南下浦町菊名に伝わる菊名の飴屋踊りは、毎年10月23日に白山神社例祭で奉納されてきた踊りです。この踊りは、飴売りが人寄せの為、歌舞を演じたのが始まりとされ、地区に伝承されてきた踊り。一時期中断していましたが、地元の女性達が中心となって復活。現在では小学生も参加して祭礼の日に奉納されています。