日本の祭りレポート
あだのしぬぐ
「シヌグ」は来訪神信仰の儀礼で、五穀豊穣と無病息災を祈願するもの。ここ安田は沖縄本島最北部の漁村です。祭りの昼下がり体を藁縄でしばり、ガンシナの輪っかを頭に、赤い実のミイハンチャの枝をつけた男たちが家々から出てきます。彼らは3つのグループに分かれ、集落の後ろにある山に登ってゆきます。山頂で全員が山の神にウガン(拝み)をし、次に海の方向へのウガン。その後一行は行列で住宅地の路地を海に。彼らは浜辺にひざまづき、やはりはじめは山の方に向かって拝み、次は海に向かって拝み、身につけていたすべての飾りものを海に流します。厄災流しでしょうか。その風体はどうみてもポリネシアンひとつの祭りで山の神と海の神に祈るのは稀少。
【取材・文:苦田秀雄】
人口160人余りの安田地区で400年余り続く安田のシヌグは五穀豊穣と無病息災を願う伝統行事です。2年に一度開催される「ウフ(大)シヌグ」では、村の男たちが山に登り、草木などを身につけ「一日神」となる儀式を行います。自然豊かなヤンバルの地で行われる神聖な伝統行事で国の重要無形民俗文化財にも指定されています。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り