2020年8月14日

稚児の田楽は希少

御宝殿熊野神社の祭礼

取材・文

日本の祭り研究所 所長
NPO日本の祭りネットワーク副理事長
苦田 秀雄

鎮守の杜に流れる平安の空気

祭りの主役は天皇の使いである勅使童子。2日間寝ずに役目を果たした童子は馬上で居眠り。人々はそれを見て「神が宿った」と静かに手を合わせるのです。田楽童子たちは田楽の後、「丑の刻参り」などを努めて徹夜。翌朝、東はヤタガラス、西は兎の絵が取りつけられた鉾を抱えた若ものらが参道を猛然と疾走。社殿の前にそれを立てるのです。ヤタガラスが先に立てば豊漁、兎なら豊作という作占です。稚児田楽は「一列の組み打ち」「親は親、子は子」など5種類。さらに「鷺の舞」「龍の舞」「鹿の舞」「獅子舞」が舞われ、「鹿の舞」には呪術的な要素が。それは芸能化する前の古風な姿をとどめ、きわめて貴重な動物風流。

実施日/7月第3日曜日(宵祭)とその翌日の海の日(本祭)
場所/福島県いわき市錦町 御宝殿 熊野神社
電話/0246-62-2207(御宝殿熊野神社)
交通/JR常磐線「植田」駅下車 常磐高速道「いわき勿来」IC下車

※変更になる場合もございますので、お出かけの際は事前にご確認ください。

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